2013年6月アーカイブ


『trattoriw auntei』の現場推進時の構造補強から下地造作の作業ログです。


あらかたの解体が終わり構造に干渉しない大引を撤去し、地ならし。
そして@200の鉄筋メッシュを配筋。
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その後ケミカルアンカーを既存布基礎部分に打ち込み@250でアンカーを打ち込んでいきます。
その後、鉄筋メッシュの上に土間コンを流し、既存基礎部分と新設基礎部分を固めます。
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そして恒例の猫の脚跡(笑)
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既存構造梁の補強+火打の取り付け
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補強が終わればいよいよ、軽鉄工事で下地をおこしていきます。
この段階で少しでも誤差があれば最終仕上りで狂いが生じる為、一番シビアでピリピリとしています(笑)
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電気工事では動力、電灯、弱電、200本近くの配線をコンセントや照明器具の位置まで持って行きます。
ガス工事や換気工事、エアコン配管なども同時推進します。
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その頃、屋根の上では、新設の屋根工事を行っていました。
5月なのに非常に暑かった事を記憶しています。
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そして、1Fでは、断熱の為のグラスウールを充填し、ボードを張っていきます。
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ここまでが、構造補強・下地工事の大体のざっくりとした流れです。
この工程が、設計施工の最も重要な期間です。

いつも、現場解体時などに思うのですが、表面はそれなりに仕上がっていても、一枚めくってみると構造材や、設備配管がとんでもない状態で施工されているのをよく見かけます。

内装の見た目を変える事をひたすら誇張するようなメディアにプロも含め多数の人の目が行っているからでしょうか。

素材や設備、構造それらを熟知し、コストバランスを考え、デザインできる様なプロフェッショナルになれたらな。と心から思います。
知れば知る程、200年くらいかかるかな。。。笑

けど、日々がんばっていきます!


trattoriw auntei OPEN !

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まずはじめに。

先日6/9に、trattoriw auntei - トラットリワアウンテイがオープン致しました。

思い起こせば前回のブログでも書いていた通り、非常にタイトでフル稼働な現場でした。

無事、引き渡しが出来てホッしながらも、ゴソゴソ仕事に追われています。

今回、プランニングやコンセプト、基本設計はすべて任せて頂けたので、非常にスムーズに設計推進できました。

鰻の寝床の様な奥行き20Mの現場だったので、1つの店の中に4つのSHOPを造るイメージでコンセプトを決定し、カジュアルなスタンディングバールからゆっくりくつろいで楽しめるサロンスペースまでプランニングしました。

現場は築60年以上の古民家。構造補強や屋根、雨仕舞。水道、ガス、電気の引き込みなど、設備工事にコストが想像以上かかるため、過度なデザインは排除し、核となるデザインプロポーションを固めました。

今まで幾度となく繰り返して来た、設計・施工の基本的な造形とプラスし、今回は、自分自身がデザインできる限り、色と素材を多く使う事にこだわりました。

安易にコンセプトカラー、コンセプト素材を定めるのではなく、料理の邪魔にならない色と素材。

サービスマンや料理、そしてそこで楽しむお客様、それら全体を包み込む器として建築をとらえ、多くの色と素材でデザインしました。

例えば、カウンターイス。
並列したすべてのイスの張地が微妙なグラデーションになっていて、デザインされたパイピングも一色ずつ違っています。
そしてその後ろに隣接する格子席のイスも違った形、違った張地で製作されています。

奥のサロン席も同様に、全て違った形状のイスに異素材の張地を張っています。

また、スタンディングバールのビッグテーブル、カウンターやサロン席のテーブルも全て違った材質の無垢材を用いて、全て違った加工方法で熟練の木工アーティストが仕上げています。

外観や内部壁面や天井の仕上げ、また塗装の色までも全て違った素材でデザインしました。

そしてそれらを演出する照明器具もブースごとに全て違った器具で設計しています。

その100種類を軽く超えるそれらすべての素材の調和が、今回のテーマの全てでした。
欲を言えば、完成時と自分のイメージがズレ無い事。

解体後のスケルトンの段階で全て発注しないと間に合わない工期だったので、完成形に近づくにつれヒヤヒヤしていましたが、棟梁を始めとするチームのみなさんのがんばりのおかげでイメージより良く仕上がった様に思います。

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自分が20代前半に憧れた国内外の先人の設計した建築。
それとは逆行する現代の塗り絵の様なチープデザイン。
色んな思いが混じりながらの数ヶ月でした。

今のチームで仕事して10数年。
だからこそできる、今の自分の精一杯の形。
言葉にする事は難しいのですが
どっかで、誰かに伝わればと。
苦心しながらも心の底から楽しんでプロジェクト推進することができました。

今までのキャリアの良い区切りになりました。
そして、ご協力頂いたチームの皆さん、応援頂いた方々、本当にありがとうございました。


最後にこの素敵なチャンスを与えて下さった阿吽亭のマスターに感謝の形とさせて頂きます。

今後、この地域で芽吹く新しい息吹の先駆けとなる事を心よりお祈り申し上げます。

改めまして『trattoriw auntei』オープンおめでとうございます!

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